感想
俺はずっと「なぜ俺は生きているのか」「何が正しいのか」という問いに対する答えを求めて生きてきた。
この本を読んで、これらの問いかけがそもそも的外れだったと思った。
「なぜ俺は生きているのか」ではなく「俺は生きていて、じゃあそんな生きている俺だったら何をするのか」を自分自身に問いかけるべきだと思ったし、
「何が正しいのか」ではなく「俺は何を正しいと思っているのか」をこれからの人生で探していかないといけないんだろうなと思った。
そもそもこの本に共感できた理由が色々あるが、まず第一に「既存の枠組みに囚われている自覚を持たねばならない」と俺は常々感じていた。
この本で登場する「枠組み」や「システム」のことを俺の頭の中では「バイアス」と呼んでいたのだが、社会の仕組みや小中高大を通して受けてきた教育、会社、これら全てが「バイアス」となって、俺の思考を鈍らせていたんだろうなと思う。
別に過激な話じゃなくて、「どっかの偉い人が決めたんだからそれに従ってれば良いんだ」という考え方における「良いんだ」ってのは諦観から来る「(もうどうでも)良いんだ」な訳で、俺が求める理想とはかけ離れた思考に、この本に出会うまで苛まれていたんだと思う。
「諦めたらそこで試合終了ですよ」とは某バスケ漫画のセリフだが、マジで意識しないうちに俺は諦めさせられていたんだなぁと思った。
しかし、うむ。。
「俺だったら何をするのか」「俺が思う正しさ」ってのは何なんだろうな。
この本によれば「全てを知ることはきっと出来ないが、自分が何を知らないのかを知ることは出来る」とのことだ。
決めた。
まずは「出来るか出来ないか」に関係なく「これが出来たら最高だし俺はきっと楽しいに違いない」と思える仕事について考えよう。
絵やプログラミングの技術を解説する本だけじゃなく、様々な角度から人や世界を観察して読み解くような(習作を描くような)読書を通して、広く学びつつ、仕事で活かせそうな実践を経てみよう。
この挑戦は「やらないといけないからやる」ではなく「間違いなくやりたいし関心があるし俺がやらないといけないことな気がしているからやる」なんだろうなという感覚がある。
もはや挑戦じゃなく、ただこの先の生き方が少し変わっただけかもしれない。
本当に良い本だった。同著者の読書大全も読んでみたい。
以下、メモ等(読まなくても良いです)
印象に残った言葉や共感した言葉のメモ(正確じゃないかも
- 生きるための読書
- 本を読む行為は自分を作り上げる行為
- メタ視点で自分が分からないことを分かる状態
- 好きな本を読んだ方が良い
- 負の感情が強まる本が筋の悪い本≠自分の意見と対立する本
- 本には繋がりがある
- 名書=本の繋がりの分岐点
- 名書を読むことで人間が辿ってきた思考の枠組みが分かる
- 多読して知識を増やすより何を知っていて何を知らないか自分の位置を知ることが大事
- 自分が社会の中でどういう枠組み(会社や制度、主義主張)に位置するのか知る
- 資本主義は人を労働力と見なしているので実は人が登場人物に存在していない
- この資本主義のくだりは最近読んだ「バカの壁」でも似た言及があった!
- 会社はただのシステムで偉い役職だから人として位が高いとかそういう意味は無い
- 資本主義は人を労働力と見なしているので実は人が登場人物に存在していない
- 自分が何をしなければならないのかではなく、自分だったらどう振舞うか?という意味を問う姿勢
- 教養とは自分を作り上げること
- 本を読むことは会話以上の人と意思伝達する行為
- 読書し教養を深めていくと分からないことが多く存在することに気付いていき、謙虚になっていく
- お金を儲けるだけなら本を読んで教養を深める必要はないが、生きるためには必要
- なぜなら、自分が囚われている枠組みに引きずられていつの間にか枠組み依存の過ちに自分まで巻き込まれてしまうから
- 何のために生きるのか?ではなく、生きること自体が人に何を求めているのか?を問う
- SDGsは「人間の尊厳」を守るという考え方に通じている
- 資本主義というシステムは人の欲望を増幅させる
- 現代のマーケティングは本当はさほど欲しくないものも売りつける性質がある
- (心当たりあるなぁ…服とか服とか)
- 現代のマーケティングは本当はさほど欲しくないものも売りつける性質がある
- 人から「正しさ」を与えられる人になるな
- 規則や役職に縛られて、目の前の困っている人に対して向けるべき優しさなどの感情に蓋をしてはいけないという解釈
- 積ん読することで過去の自分が関心を持った事柄が非定期的に思い出す機会が生じる
- 習作を描くように本を読む
- これは非常に刺さった。なぜなら、俺も絵を描くからだ。俺より絵の上手い人は口を揃えて「何千枚も描かなきゃ上手くならないぞ」と言う。それも、適当に描くのではなく、描く対象に関心を持って観察して、丁寧に描いていくべきだろう。
- 後世に遺せる最大の遺産は「善い生き方」
後で調べたい
- 闘争の本質に対するヒント
- 敵意に対する恐怖心の正体と克服する方法のヒント
- 思いや意見に説得力を持たせつつ胡散臭くもなく押しつけがましくならない伝え方
- ほぼ答えは出ていて「○○だ。」ではなく「○○と思っている。」「○○を提案する。」のような、あくまで思いや意見であって、あなたもそう思ったりする必要はないという姿勢が大事なんだと思う。胡散臭い本だと大抵は「○○すると△△になれますよ」みたいな都合の良い物言いが多いので、なんとなくそう思うが、掲題の書籍はファクトと意見を分けて書いてあって、胡散臭くないし「自分はそう思わないかも?」と思える余地を残してくれているので、色々想像しながら読むことが出来て良かった。
元々or読みながら考えてたこと
- 法や制度は人間のために存在すべきもので、人間が法や制度に無理やり合わせるというのはおかしい話じゃないか?
- 何のために生きるのか?
- 今、ここにいる俺は何をすることが正しいのか?
- 納得しないと俺は前に進めない
- 俺は誰のために何をしてあげたら、その誰かを笑顔にさせられるのか?
- アニメは俺の骨肉になっている